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「おうちでミュージアム」科学のお話 氷水の温度は何℃?
水と氷を混ぜると、水の温度は下がって冷たい氷水になりますね。
では、この氷水は最大何℃まで下がるのでしょうか?
今日はこの氷水の温度変化の実験をやってみましょう。
水に少し氷を入れても、あまり温度は下がりませんので、たくさんの氷を入れて温度をどんどん下げてみました。
科学館でおこなった実験で一番下がったときは1.4℃でした。
では、理論的には何℃まで下がるでしょうか?
これは、みなさんもよく知っていると思いますが、水は普通0℃より下がることはありません。
それより下がると、水は氷になって固まってしまいます。
ですので、一番下がっても0℃です。
しかし、この氷水に食塩を入れると、それよりも温度が下がることがあります。写真のように多量の食塩を入れると0℃以下(-8.3℃)まで温度を下げることに成功しました。
どうしてこのようなことになるのでしょうか?
氷に食塩をかけると氷が溶けるスピードが普通より速くなります。
この速く溶けることがポイントです。氷が溶けるときには熱が必要で、普通この熱を空気中から取りますが、今回のように食塩をかけて速く溶かしたときには、その熱を空気中からとる前に氷水自身から奪い取ります。
そのため、氷水は熱を急激に奪い取られて普通より温度が下がり、0℃以下になるのです。
(0℃以下になると水が凍りそうなのですが、ここでは水に食塩が溶けているため、0℃以下でも凍りません。)
今日は氷水に食塩を入れて、速く溶かして温度を下げましたが、それ以外の物質でも同じような現象がおこります。
冬に積雪や凍結が起こるような道路の脇に、肥料袋のようなものが置かれていることがあります。これは雪や氷をとかしたり、凍結を防止するために撒かれる薬剤(塩化カルシウムなど)で、今回の実験で用いた食塩と同じ働きをするものです。
みなさんも氷水に食塩の量を変えたり、様々な物質を入れて溶かしてみると、おもしろい科学研究になると思います。
ぜひチャレンジしてみてください。