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掲載日2022.10.28
2022.10.28

2022年11月8日皆既月食

11月8日の夕方過ぎから、皆既月食がおこります。今回は大変観察しやすい時間帯で、月食の開始から終了まですべての経過を見ることができます。特別な道具がなくても楽しめますが、双眼鏡や望遠鏡があればぜひ使ってみましょう。


※2011年12月10日撮影

月食は、月がのぼってさえいれば、世界のどこで見ても同じタイミングで目にすることになります。ただ、見える方角や高さは、見る場所によって変わります。
広島では図のようになります。



月食は、普段見られる月の満ち欠けとはしくみも見え方もまったく異なります。
普段の月の満ち欠けの欠け際はクッキリとしています。一方、月食の欠け際は、この写真ではやや分かりにくいですがぼんやりとしています。これは月食が、地球の影の中を横切る現象であるためで、また普段の満ち欠けでみられるレモン型のような膨らんだ状態にもなりません。そして月食は必ず満月の日に起こり、数時間のあいだに欠けていき、元に戻ります。


皆既月食の例(2011年12月10日)


普段の月の満ち欠け。左のような膨らんだ状態や半月のような状態には、月食ではなりません。

図のように、月が地球の影の中を通過していくと皆既月食に、影の上下をかすめていくと部分月食になります。地球の影の中に完全に入ったとき、太陽の光は月に直接あたらなくなりますが、地球大気を通過し回り込んだ光がほんのり当たります。このとき、月は暗く、赤っぽい色になり、この様子が皆既月食最大の見どころになります。


地球の周りをまわる月の軌道の傾き具合によって、月が地球の影のどこを通るか、毎回異なります。

皆既月食の楽しみはこれだけではありません。満月のある夜空は月明かりで星が見えにくくなりますが、皆既中の月は暗いので、夜空は月が出ていないときと変わらないくらいに星が見えるようになります。そして月の輝きが再び戻ってくると、空はもちろん周りの景色も明るくなり、月あかりがこれほどにも明るいものなのかと、実感することでしょう。

広島で観察できる次の皆既月食は、2025年9月8日の未明(9月7日深夜)になります。